ネットワークエンジニア

クラウド時代にネットワークエンジニアは不要なのか?

クラウド時代にネットワークエンジニアは不要なのか?

AWS、Azure、GCPなどのパブリッククラウドの普及は著しく、ネットワークエンジニアも意識しなければならない領域といえる。

ネットワークエンジニアってクラウド時代に不要なのか?、ネットワークエンジニアはクラウド時代にどうアジャストしていくべきか?

今回はそんなお題目です。

 

 

クラウド時代のネットワークエンジニア

表現が難しいところもあるが、ちょっとしたシステムを作るためにクラウドを使うとなった場合にネットワークエンジニアは不要である場合もある。

確かに、全部クラウドのマネージドサービスでこしらえましたなんてシステムであれば、ネットワークエンジニアって存在意義薄いかなと。

でも私たちエンジニアがお仕事している企業ってものは、色々はしがらみや事情がある訳で、

そういった諸々のご事情により、AWSやAzureのマネージドサービスだけでは成り立たず、ネットワークアプライアンスを使ったり、DCとVPNで接続したりなどでネットワークエンジニアとしても活躍することは多い。

もちろん、クラウドの技術を習得することに越したことはないけど、サーバエンジニアの方が学習コスト低いし、頼られるのはそっち側の人間が多いので、クラウドのノウハウをネットワークエンジニアが積みにくいのは事実。

まあ、ネットワークもサーバの今時できなきゃダメよねとはよく言われるし、個人的にもそう思うことも多いんだけれども、本質的な部分ってもっと磨くべきなのかなとも思う。

 

 

ネットワークエンジニアとして積み上げてきたスキルを考える

僕たちネットワークエンジニアは、「ネットワークという分野」に専門性を持っていることは事実。

ネットワークの専門性が不変かと言われてるとそうでもない。

これはIT業界の過去を俯瞰してみれば、流行り廃りはあるし、時流のスキルを持っていることに越したことはない。

でも、ネットワークという分野に専門性を築く過程で、我々ネットワークエンジニアは実に様々なスキルを身に付けている。

①学習する能力

まず、技術が大好きなエンジニアに怒られそうなことを書く。

ネットワークエンジニアは技術を収集する過程で学習するが、その過程でITを学習する脳みそが形成される。

科学的に根拠がある訳ではないが、例えば新入社員とベテランエンジニアが一緒に何か新しいことを勉強した場合、ベテランエンジニアの方が要領よく学習できるはず。

技術に関する学習コストって僕がネットワークエンジニアになった10年以上前と比べれば格段に学習しやすくなっているし、技術を勉強する脳みそと現在の環境があれば、「抜きんでる」ことは難しくてもそれなりにやっていけると思う。

僕はSierという職種からこの発言をしているが、ぶっちゃけ技術的に超優秀な人に会うことが技術に尖りきることが全てではない。

技術的特化しており、誰もが認めるスペシャリストという位置付けには敬意を抱くけど。

②ビジネススキル

我々ネットワークエンジニアは本当にネットワークの専門性だけで評価されているのだろうか?

その答えは「No」なはず。

僕らがどのような価値を提供しているかじっくり考えれば分かるはずで、

リーダーであれば、チーム目標を立案して達成してきたり、社内外の人間と連携して適切なチームを運営する。

打ち合わせでは、課題解決に向けて、課題の定義と解決方法をロジックにしっかり立てて発言している。

提案書は、ユーザ目線で伝えるべき内容を落とし込み、購買に繋げる。

ネットワークの専門性以外にも実に様々なスキルを有している。

ジェネラリスト寄りにはなってしまうけど、ITスキルとビジネススキルの掛け合わせ方が絶妙な人ほど、「成果」を出しているのが現状ではないだろうか。

③クローズドなブランド構築できる

そもそも、貢献をしてきた顧客であれば簡単に自分を切り捨てるようなことはしない。

世の中にはスーパーエンジニアが溢れているが、顧客は身近で貢献し続けてくれた人材を選択する傾向にある。

あいつは「優秀な人材だ」なんて思わせることができたのであれば、もうその世界では属人的。

インターネット上のフラットな世界で勝つことは難しいけど、ローカルでクローズドな世界でブランドを確立することはそんなに難しいことではない。

もちろん、俯瞰的な思考を持って市場を見ることは重要。

でも自分には市場に合わせて技術を勉強して良かった経験よりも、ローカルでクローズドなブランドを築き、業務に対する評価を超越し、存在感そのもので売っていくやり方の方が上手くいっている。

 

 

もちろんクラウドを勉強する必要はある

現場で活躍することでクロードなブランドは構築できる。

しかし、これでは「井の中の蛙」だろう?という反論もあるだろう。

全くもってその通りだと思うであり、エンジニアというのは、常に市場を意識する必要がある。

ローカルな世界に長く居続けることは難しい、そして如何に優秀なビジネススキルを持っているからといっても、エンジニアである以上、土台に技術力は必要である。

そして、ネットワークエンジニアにとってクラウドはサーバエンジニア以上に取っつきにくいだろう。

今までエンジニアの役割は非常に細分化されてきた。

その結果ネットワークエンジニアは、Ciscoをはじめとするネットワーク機器(専用ハードウェアとメーカ独自のCLI)だけに偏り過ぎた。

サーバやストレージに関する学習コストが掛かってしまう。

けれど、このままクラウドは何も分かりませんで過ごし通せるとは思えない。

OpenStackやOpenflow、一部SDN製品に関しては本当に必要なのか?時期早々なのではないか?そんな疑問も思い浮かんだだろう。

パブリッククラウドはその次元ではない。

 

 

技術の幅が広がった現代だからこそ取捨選択が必要

テクニカルな要素を市場を俯瞰してみると、ネットワークエンジニアにはルータ、スイッチに専門性を持っているだけでは不十分な時代になってきたと言える。

クラウドの登場はもちろんのこと、ネットワークもかつてないほど「ソフトウェア」な時代になった。

SDNはハイパースケールなDCに留まらない。SD-WANという形でエンタープライズのネットワークでも導入が目立つ。

コントローラレスでありながら、SD-WANを謳う製品も多い。特にインターネットブレイクアウトは、ファイアウォールやロードバランサー単体でも実現可能な製品が増えてきた。今まで何度か対応してきた。O356やboxなどのSaaSを利用する企業にはとてもウケが良い。

これら新しいことに加え「従来のネットワーク」に関するスキルやノウハウは依然として必須。

ちょっと冷静に現在の状況を考えてみると、本当に混乱してしまう。

僕はだからこそ、今まで以上に取捨選択が必要になると思っている。

まず、最低限「従来通りのネットワークのスキル」は抑えている必要がある。

そして、パブリッククラウドについては、まずは「ゆるく」に対応できるようにしておくといい。

AWSでもAzureの中のネットワークは、初見ではクセがあるし、柔軟性はない。しかしその中でDCとインターネットVPNやIPVPNで接続することも必要になってくる。

ネットワーク的な目線からクラウドで取り組むのもアリだろう。

もちろん、ゆくゆくは体系的に学んでいく方が絶対良いのだが、時間は有限であり、技術ばかりに打ち込む余裕のない人も大勢いるだろう。

そもそも、ネットワークという差別化できる部分を活かし新しいことに取り組む方が利口ではないだろうか?

当たり前の話だが、クラウドの学習したところで、長年サーバーエンジニアとしてやってきた人には勝てない。

 

 

まとめ

確かにパブリッククラウドの存在は意識せざる得ないほど強烈なインパクトといえる。

時間を持て余しているのであれば、クラウドを体系的に勉強をした方が良い。

上記で記述した通りだけど、クラウドのネットワークやDCとの接続にネットワークの専門性が必要なケースは多々ある。

その部分だけ抑えられるような人材にも需要はある。

パブリッククラウドが持つ様々なコンポーネントを理解していなければ、お役御免という時代では現段階ではないと考える。

まずは、自分が有している武器を自覚しよう。我々ネットワークエンジニアは成長の過程で様々なスキルを身に付けてきた。

顧客から、一定の評価を受けているのであればその要因は何だろうか?本当にネットワークの専門性のみを買われているのだろうか?

クラウドのスキルを持っていないからといって、バッサリ切り捨てられるだろうか?

自分の強みや市場、顧客、社内の状況を鑑みて戦略的にキャリアを構築していくことが今まで以上に重要といえるだろう。